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サーマーン朝の成立年代 [その他]

 今日の5限目に2年8室(体育のあとの午後2時間目という実に素敵な時間帯)で授業していて気づいたのが、サーマーン朝の成立年代が山川の用語集では875年となっていること。私の高校時代は確か「874年成立」だったはずで、「話(874)のわかるイラン人」と覚えた記憶がある。調べたら、山川の『詳説』では旧課程版でも875年になっている。来年から採用する東京書籍も875年.....なんだけど、東書は世界史Aの教科書では874年になっている。帝国書院の『タペストリー』に至っては、112ページが874年で291ページが875年。Wikipediaで調べたところ、どうも875年とした方が妥当な記述になっている。真相はいかに。


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授業力向上セミナー(島根県立松江教育センター) [その他]

 22日(月)、島根県の島根県立松江教育センターで行われた「高等学校地理歴史科(世界史)授業力向上セミナー」の講師を務めました。翌23日は受講した先生方の模擬授業を見学させていただき、とても勉強になった2日間でした。
 この「授業力向上セミナー」は、平成元年から平成9年までの間に島根県の公立高校に採用された先生方は全員参加する悉皆(しっかい)研修だということで、年齢的経験的に私とあまり変わらない先生方ばかり。もしかすると、私みたいなのが講師ということでガッカリされたかも。私がしたのは、普段こんな事を考えて授業やってます的な話で、「これなら自分にもやれる」という気持ちをもっていただけたら幸いです。センターで担当の指導主事の先生がかなり一生懸命に準備と気配りをしていただき、有り難い二日間でした。


島根出張で撮った写真

松江ニューア-バンホテル・本館


 私の持ち時間は午前1時間、午後3時間40分と5時間近くもあったので、レジュメだけでは間が持たないと思い、パワーポイントでスライドをつくっていきました。パワーポイント使用時に使ったのが、バッファローの「空間マウス」。Yahoo!のオークションで6250円でした。本当はマイクロソフトの「Microsoft Wireless Notebook Presenter Mouse 8000」が欲しいところですが、このマウスについているレーザーポインタ機能が日本の規制に沿っていないということで、現在日本国内では流通していません(並行輸入品が1万円以上の価格で出回っている)。またウチの学校で買ったのは、コクヨのプレゼン用USBマウス(受信機収納タイプ)ですが、これだと普段使う機会はあまりなさそうで汎用性に欠けます。

 はるばると島根まで持っていたのが、「3Dマウス」(けっこう重い)。Google Earthを使うときにあると、かなり面白いマウスです。普通のマウスと違って、同時に二つの動き(特定の方向へ移動しながら接近する、など)が出来るので、実際に時分が動いているような感覚になります。ただ、使いすぎると車酔い状態になってしまうことも。先日社会科準備室に掃除に来た3年4室の生徒に見せたところ、Google Earthの最新版は日本語化され建物が3D表示されることもあり、かなりおもしろがってくれました。


Google Earthで見た熊本高校


 買ったものの忙しくてなかなか見ることができなかったDVD『300(スリーハンドレッド)』を見ようと思ったところ、ディスク1の冒頭からブルーレイディスクだのHDDVDだのの宣伝や、『ゾディアック』などの予告が延々と続き、スキップも不可能。もしかしてレンタル用とディスクを間違って出荷したのではないかな?


BUFFALO 多機能無線マウス BOMU-W24A02/BL

BUFFALO 多機能無線マウス BOMU-W24A02/BL

  • 出版社/メーカー: バッファロー
  • 発売日: 2007/03/31
  • メディア: エレクトロニクス
3Dconnexion 3Dマウス SpaceNavigator PE (Personal Edition) SNPE

3Dconnexion 3Dマウス SpaceNavigator PE (Personal Edition) SNPE

  • 出版社/メーカー: 3Dコネクション
  • 発売日: 2006/12/08
  • メディア: エレクトロニクス
3Dconnexion 3Dマウス SpaceNavigator SE (Standard Edition) SNSE

3Dconnexion 3Dマウス SpaceNavigator SE (Standard Edition) SNSE

  • 出版社/メーカー: 3Dコネクション
  • 発売日: 2006/12/08
  • メディア: エレクトロニクス
Microsoft WIRELESS NOTEBOOK PRESENTER MOUSE 8000 9DR-00003

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  • 出版社/メーカー: マイクロソフト
  • 発売日: 2006/12/01
  • メディア: エレクトロニクス
KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW1(ハンディタイプ, パワーポイント操作機能, レシーバー収納式)

KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW1(ハンディタイプ, パワーポイント操作機能, レシーバー収納式)

  • 出版社/メーカー: コクヨ
  • 発売日: 2004/07/31
  • メディア: エレクトロニクス
KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW2 (ハンディタイプ, パワーポイント操作機能)

KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW2 (ハンディタイプ, パワーポイント操作機能)

  • 出版社/メーカー: コクヨ
  • 発売日: 2005/04/21
  • メディア: エレクトロニクス


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「教師力養成塾」(早稲田アカデミー)と「教師力向上プログラム」(筑波大学)の共通点 [その他]

 鹿児島に旅行に行ったとき、子どもが「探偵学園Q」なる番組を見ていたので一緒に見ていたら、仮面ライダーG3-Xの氷川誠主任こと要潤が出てた。彼は以前、院内学級をテーマにした番組にも出演していた記憶があるので、平成になって仮面ライダーを演じた俳優では、オダギリジョーに次ぐ成功例かもしれない......

 という話はさておき、そのあと「NEWS ZERO」を見ていたら、早稲田アカデミーが実施している「教師力養成塾」が紹介されていました。代々木ゼミナールの「学習指導スキル研修プログラム」と違って、授業以前の「学習するための雰囲気づくり」の方法がおもな内容だと思われます[http://www.nakahara-lab.net/blog/2007/04/post_843.html]。代ゼミの教師向け講座にはあまり関心がないが(今年は講師が祝田秀全氏だったので例外)、早稲田アカデミーの講座は参加してみたい気がします。講座の内容すべてが、すぐに使えるというわけではないでしょうし、私立や塾と違って公立学校の場合、場合によっては授業以前の「出席させる」「着席させる」「教科書その他の準備をさせる」だけでも一苦労、気づいたら授業時間の半分が過ぎていた.....という笑うに笑えない状況もあります。が、公立には転勤がありますから、学んだことがいつかは役立つかもしれません。使える部分だけを取り出してもいいと思います。様々な指導法を学んで、その中から自分にベストフィットする方法を選ぶというのが教師の主体性だという気がします。私の個人的な意見では、テレビに登場していた先生は、「生徒の目線で」というスタイルを変える必要はないと思いますね。逆に私がその先生の真似をしても、生徒はついてこないでしょう。生徒は、そうした違和感は敏感に感じ取るような気がします。

 筑波大学の大学院で、学校の教師向けに教師向けに 「高度な授業力育成のための授業開発」[http://www.kyouiku.tsukuba.ac.jp/gp/index.html]というプロジェクトが実施されていますが、「教師力向上プログラム」として実施された講演会の講師は、現役の俳優と歌手の方[http://www.kyouiku.tsukuba.ac.jp/gp/img/poster.pdf]。「教室は舞台~教師に求められる演技力要請講座」という演題です。早稲田ゼミナールの教師力養成塾と似たコンセプトのような気がします。教師にもパフォーマーとしての資質が求められる世の中になっているようです。

 他の教科・科目に比べて、歴史の授業では、教師の「語り」がかなり大きなウェイトを占めています。それだけに、授業の内容以前の教師の気配りはかなり大切。本間昇著『歴史の授業の展開』(あゆみ出版)という本では、「歴史授業のための20話」として、「聞く子は育つ 大切な授業態度」「まずエンジンをかける 授業の導入について」「紙芝居屋さんを見習う 語り上手になろう」「話の乱れは頭の乱れ 話し上手なるひけつ」「人を見て法を説け 話・説明・講義の区別」など、教師の「演出」に関する話が並んでいます。こうしたスキルは、授業の内容と、いわば車の両輪とも言えるのではないでしょうか。  テレビをみていて驚いたのは、都内の私立高校の職員全員で参加するという話。地方の公立高校の講師は、経済的だけでなく物理的にも参加することは難しいように思います。これも格差?


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上田小次郎『公立炎上』(光文社) [その他]

 著者は現役の高校の国語教師で、現在休職中らしい。幸い私はこの本に書かれているような事例に遭遇したことはまだないですが、これが事実だとすれば日本の未来は暗い。教師を中心テーマにした第2章と第3章が興味深いところですが、「指導力不足教員にはコストがかかる」という指摘は、確かに事実だと思います。

 昨年10月に福井大学で開催された全国社会科教育学会で、モンゴルによって形成されたネットワークをテーマにした世界史の授業の発表があったようです。大変興味があります。どのような授業だったか、どなたかご存知の方ご教示を。こうした発表とか報告は、目にすることが難しいのが現状なので、レジュメ等まとめて閲覧できる場があれば重宝するんですけどね。発表した人も、色々と意見をもらえるのは有難いと思うのではないでしょうか?ネット上なら可能だと思います。

 来月は教育実習が始まります。今年私の担当予定だった学生が、今日になって辞退とのこと。個人的には仕事が減ったので少々嬉しい気もします?が、やむを得ない事情ならばともかく、この時期になって辞退というのは、どうも配慮を欠いているとしか思えません。

 今日社会科準備室で話題になったのは、教科書『諸説世界史』におけるペロポネソス戦争の記述。「前ギリシア世界は、おもに民主政ポリスを中心とするアテネ側と、貴族政ポリスを中心とするスパルタ側の二陣営にわかれてたたかうことになった。」スパルタ以外に貴族政をとるポリスがあったのか、という疑問。どうもスパルタというのは特殊なポリスというイメージがあったのですがね。ペロポネソス同盟に参加していたポリスとしては、コリントスが有名ですがこれも貴族政だったのでしょうか。

公立炎上 Death of the Public Education

公立炎上 Death of the Public Education

  • 作者: 上田 小次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/03/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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資料集を比べてみると [その他]

 ヨーロッパには、ゲルマン系・ラテン系・スラヴ系の3民族が中心だ、ということで世界史の資料集には、それぞれの民族を代表する有名人の写真を使っている資料集があります。

 まず浜島書店。浜島はこれまで女子テニス選手(ゲルマン系のシュティフィ=グラフ、ラテン系のアランチャ=サンチェス、スラヴ系のエレナ=ドキッチ)だったのが、今年度版から「往年の名女優」に変更。ゲルマン系がイングリッド=バーグマン、ラテン系ソフィア=ローレン、スラヴ系ナタリー=ウッドというラインナップです。これはたぶん、とうほう(東京法令出版)を意識したものだと思います。とうほうが使っているのは、「現在の女優」。ゲルマン系グウィネス=バルトロウ、ラテン系ペネロペ=クルス、スラヴ系ミラ=ジョヴォヴィッチというラインナップです。ミラ=ジョヴォヴィッチ以外は、知名度がイマイチのような気がしますけど。
 これら「女優組」に対して、第一学習社はサッカー選手を起用。昨年度版は、ゲルマン系オリヴァー=カーン(ドイツ代表)、ラテン系ラウル(スペイン代表)、スラヴ系モストボイ(ロシア代表)でした。今年度版は、ゲルマン系シュバインシュタイガー(ドイツ代表)、ラテン系クリスチアーノ=ロナウド(ポルトガル代表)、スラヴ系シェフチェンコ(ウクライナ代表)に変更されていますが、3人ともよく知らない.....。こういうマニアックな選択は、かえって逆効果のような気もしますが。

 昨日は本校でも転退任式が行われました。今年は19名の先生方が離任と、例年以上に多い異動でした。社会科(地歴公民科)関係では、公民のI先生が教頭先生としてご栄転、そして本校OBでもあられる地理のF先生が、通算30年以上にわたるご勤務を終えられて退職なさることになりました。ご健康とご活躍をお祈りいたします。夜の送別会では、幹事長の公民T先生の挨拶もよかったです。新婚のT先生、奥様(って言い方はよくないのかな)がご勤務の学校も同じホテルで送別会だったようです。

 校門の桜の花も、美しく咲きました。先生方を見送っているかのようでした。あまりに綺麗だったので、写真を撮って学校のホームページに載せました。その写真です。


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「天然の美」 [その他]

 「天然の美」という曲を知ってますか? タイトルだけではピンとこなかったものの、メロディーを聞いたら「あれか」という曲でした。チンドン屋さんがよく演奏してた曲で、少々哀感ただよう曲。あがた森魚の「赤色エレジー」は、多分この「天然の美」をモチーフにしたものでしょう。
 今日の5限目は一年生の総合的な学習の時間で、5人の外部講師を招いての講演会でした。授業の入れ替えをして聴きに行ったのが、姜信子さんの講演。数年前に娘さんを担任させてもらったことがあり、活動は存じ上げていたものの、講演をきかせてもらったのは初めて。
 今日のお話は「天然の美」を追って日本から中央アジアにまで旅をしたというお話。中央アジアでなぜ日本のメロディーが?「天然の美」を中央アジアでいまだに歌い継いでいるのは、コリョサラムとよばれる人々。朝鮮半島が日本の植民地だったころ、半島北部から沿海州に移り住んだ人々で、1937年にスターリンによって沿海州から中央アジアへ追放された人々です。こうしたコリョサラムの人や、チェチェンの人との出会いが紹介されました。[http://chechennews.org/chn/0404.htm]
 テレビや新聞で姜さんの取材活動は割と知られていたと思いますが、これを今の高校一年生にどう話すかというのは、かなり難しかったと思います。講演終了後の控室で、姜さんがふとおっしゃった「高校生に話すって難しいですね」とおっしゃった中の「難しさ」は、もしかすると私が最近世界史の授業で感じている「難しさ」と通じる部分があるかもしれません。私としては、今日姜さんが話したようなことに何らかの関心を持つことが出来るか、ないしは得るものがあったかを問いたいという気がします。今日は熊本県の公立高校合格発表でしたが、4月から高校生となる皆さんには、敏感なアンテナを持っておいて欲しいということです。
 講演の終わりに姜さんがおっしゃった、「今日の話は、分からなかったということが大切だ」という言葉、今日講演を聞いた諸君はどう感じたのでしょう。私は、自分が知らないことが世の中にはたくさんある、むしろ知らないことの方が多い、ということを知ること、そしてそれを理解しようとする姿勢が大切だ、という意味に解釈しました。もちろんこれが正しいワケではありません。「どういう意味だろう」と自分で考え、疑問を持つことでしょうね。私が尊敬する鈴木亮先生から生前にいただいたメールに、「私の書いていることを鵜呑みにせず、常に疑問を持って下さい」と書かれていたことを思い出します。既成の枠組みにとらわれない、ということはそのために必要なのかも。もっとも恐ろしいのは、その枠組みの存在すら気づかない、ということかもしれません。

追放の高麗人―天然の美と百年の記憶

追放の高麗人―天然の美と百年の記憶

  • 作者: 姜 信子
  • 出版社/メーカー: 石風社
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 単行本
ごく普通の在日韓国人

ごく普通の在日韓国人

  • 作者: 姜 信子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1990/06
  • メディア: 文庫
安住しない私たちの文化―東アジア流浪

安住しない私たちの文化―東アジア流浪

  • 作者: 姜 信子
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2002/04
  • メディア: 単行本
ナミイ!―八重山のおばあの歌物語

ナミイ!―八重山のおばあの歌物語

  • 作者: 姜 信子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本


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青木保『異文化理解』(岩波新書) [その他]

 昨日と今日の二日間、熊本県は公立高校の入試でした。社会のテストでは、20世紀のヨーロッパの地図が提示され、古い順に並べよという問題が出題されていました(それをふまえて、国名や国境線が変わった理由を述べさせる、という問題が続く)。同僚の世界史の先生と検討しましたが、日本史関係の2を含めて大問4は実に良問だと感じました。1993年度のセンター追試験(第1問D)で 出題された、4枚の地図から第一次世界大戦後のドイツの国境を示した地図を選ばせる問題と似ています。

 昨日朝、正門から入ったいちばん目立つ場所で、大手塾の腕章をつけた人達が一列に並んで塾生達を激励していました。こうした行動が他の受検生(熊本の公立高校入試は「入学者選抜学力検査」なのでこちらの字を使います)の迷惑になると感じていないのでしょうか?昨年は引率の中学校の先生が傘をさして自転車に乗ってくるし、今年の昼休みには侵入禁止の敷地内に保護者が車を入れて車内で食事させているし(親としての気持ちは理解できないこともないが、他の受検生のことも考えてあげるべきだと思います)、一体どうしてしまったんでしょうね。

 国語の問題では、青木保『異文化理解』(岩波新書)からの出題が目を引きました。引用されていたのは「速い情報と遅い情報」という文章です。全体的に平易な文章なので、これくらい入学前には読んでおいて欲しい本です。
 この『異文化理解』は、世界史の教師にとって色々と考えられる点が多い本です。ボーダーレス化と情報化が進んだ今日、異文化に触れることは現代人にとって避けられない宿命ですが、そのときにどのような対応をとるのがあるべき姿なのか、文化の違いとそれにもとづく衝突は避けられないものなのか、といった点が考察されています。異文化に対する偏見と先入観、そしてステレオタイプ化の危険性を著者は説いていますが、こうした問題が起こることを未然に防ぐことは、地理歴史科という教科、そして世界史という科目の役割の一つだと思います。「文化理解を通じて国際的資質を育成する」ということです(『社会科授業の理論と展開』現代教育社112ページ)。ただ「世界史である必然性」(他科目とどう差別化するか)は、世界史の教師として留意すべき点だとは思いますが。

 以前「私は世界史なんて世の中に絶対必要ないと思っています。ただの暗記科目じゃないですか。あんなのが社会に役立つはずがありません。こんな授業必要ありません。」という書き込みをいただいたことがあります。ということは、今の世界史の授業では「異文化理解」という役割が発揮されていない場合が多いということでしょうね。何らかの学ぶ価値があるんだったら、未履修なんていう問題は起きなかったはずですから。未履修だった理由のほとんどは「大学受験に必要ない」というものでしたが、背景には「世界史は覚えることが多く、受験に不利だから選択しない」という趨勢もあったように思います。高校の世界史教科書の執筆をなさっている大学の先生の中には、予備校・塾の授業(いわゆる進学校の授業もこれに含まれると思うが)を皮肉っている?方もおられるようですが、ここはぜひご自分も未履修問題の一端に関わっているという意識をもっていただきたいと思っている次第。高校現場(特に進学校とよばれている学校)が抱えている問題は、阪大が実施している21世紀COEプログラムの2003年の報告書『シルクロードと世界史』の304ページ「現行の大学入試制度による授業内容の制約」で指摘されている通りだと感じます。高校現場における解決方法を問われると返答に困りますが、まず改革の第一歩として、以前も書いたとおり世界史の必修を即刻廃止して欲しいと思います。国際的資質の育成や異文化理解は、他の教科・科目でも可能なのではないでしょうか。それがダメならセンター試験で世界史を受験者全員必修にするか(高校で全員必修なのですから、問題ないと思います)、受験から世界史そのものをなくして欲しいと思います。
 ウチの学校では二年生で全員世界史が必修ですが、年々授業が難しくなっています。昨年は二年生の世界史を担当しなかったので不明ですが、3年ほど前だったら試験に関係なくとも興味を持って聞いてくれたルネサンス芸術の解説(「春」や「最後の審判」[http://www.ntv.co.jp/roma/]や「アテネの学堂」[http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/]にまつわるエピソードなど)にも興味を示さない生徒が格段に増えています。自分の興味に合わせた選択をさせるのが一番いいように思うのですが。

異文化理解

異文化理解

  • 作者: 青木 保
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/07
  • メディア: 新書


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しばらくお休みします [その他]

 白内障の手術のため、今日から数日入院します。課外も他の先生に代わっていただきました。
 この時期になるといつも思い出すのが、共通一次試験(当時は)を受験するとき。本番一ヶ月前に網膜剥離の手術を受けた私は(退院は本番二週間前でした)、まだ視力が十分に回復しなかったので、特別措置申請をしました。字が大きい(タテヨコそれぞれ1.4倍に拡大してある......面積にして約2倍の大きさ)と記述式解答用紙(マークではなく番号を記入していく解答用紙)を使って、別室で1人だけの受験でした。私一人に監督の先生が2人つかれましたが、どちらの先生もとても優しく、色々と気配りをしていただいた記憶があります。申請書は私の父が書いたように記憶しています。私が受験した年の試験は、なぜか数学にアスタリスク記入が多い年で、ちょっととまどった記憶があります。
 結局目標点には届かず、地元の大学の教育学部に進んで今は世界史の教師をしているわけですが(本当は中学英語を希望したけれど、中学社会にまわされた)、別に後悔はしてないです。むしろ幸せだと思っています。努力すればそれなりの結果はついてくる、ということでしょうね。


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移民をテーマにした授業 [その他]

 熊本日々新聞で毎週日曜日に掲載される「わ~るどレポート」を連載中のLASachiさんから、アメリカにわたった日系移民の話を色々と教えていただいています。校内模試でも「アメリカの移民」をテーマにしたことはありましたが、「日本からアメリカへの移民」という視点は見落としていました。
 先日全国社会科教育学会の『社会科研究』が届きましたが、その中に興味深い授業案が掲載されていました。「多文化教育の知の導入による小学校社会科学習内容の再構築-単元「海を渡る日系移民」の開発を事例として-」という授業です(京都ノートルダム女子大学 中山京子先生)。これまで移民というと、例えばアメリカの歴史を学ぶうえでの一つの視点という、いわば「切り口」の扱いでしたが、このプランは移民を中心に経済や歴史、政策、人権、地域、文化、そしてグローバル化などを見ていこうというものです。したがって、日本を離れた人たちばかりではなく、ブラジルやペルーなど日本を訪れる日系移民にも目が向けられています。日系外国人や移民として海を渡った経験をお持ちの方が近隣にいて、直接話を聞くことができれば、「地域から世界をみよう」ということで、よりダイナミックに展開できるでしょうね。いい授業だと思います。ウチの学校で2年生の「総合的な学習の時間」でやっている論文作成で、生徒に調査させたいくらい。
 LASachiさんとの話で話題になった点との関わりで言うと、渡米した日本人からの視点で、移住者の出身地域の経済状況(push要因)、向かった先がなぜアメリカなのか(pull要因)、アメリカでの差別との戦い、太平洋戦争中の人々の生き様などが取り上げられるでしょう。千人針や442部隊などは、いい題材となるでしょうね。これは小学校を想定した授業ですが、時間的な余裕があれば中学校でもやれそうです。

 今日の新聞の文化欄では、クリント・イーストウッド監督(私は彼の名を聞くと、44マグナムのダーティ・ハリーことハリー・キャラハン刑事を思い出す)の『硫黄島』が取り上げられていました(内田樹氏の「常識的!」)。 これは二作とも客を呼べないだろうと結んでありましたが、映画が好きな公民のT先生は絶賛していました。見てみたい映画の一つです。

日本の移民政策を考える―人口減少社会の課題

日本の移民政策を考える―人口減少社会の課題

  • 作者: 依光 正哲
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2005/09
  • メディア: 単行本


日系人とグローバリゼーション―北米、南米、日本

日系人とグローバリゼーション―北米、南米、日本

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 人文書院
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本


海を渡ったサムライたち―邦字紙記者が見たブラジル日系社会

海を渡ったサムライたち―邦字紙記者が見たブラジル日系社会

  • 作者: ニッケイ新聞編集局報道部
  • 出版社/メーカー: ルネッサンスブックス
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本


カリフォルニア州の排日運動と日米関係―移民問題をめぐる日米摩擦、1906~1921年

カリフォルニア州の排日運動と日米関係―移民問題をめぐる日米摩擦、1906~1921年

  • 作者: 簑原 俊洋
  • 出版社/メーカー: 神戸大学研究双書刊行会
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 単行本


日系アメリカ人の歩みと現在

日系アメリカ人の歩みと現在

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 人文書院
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 単行本


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世界史の必修をはすしてほしい、という話 [その他]

 昨日の放課後課外でやったセンター試験の過去問の一つ。


問1 下線部①に関連して、14~15世紀の文学作品として誤っているものを、次の①~④のうちから一つ選べ。 ①『カンタベリー物語』  ②『神 曲』  ③『デカメロン』  ④『失楽園』                        (1996年度 本試験 世界史 第3問B )



 この問題、いわゆる「仲間外れはどれでしょう」という問題。『失楽園』が「ピューリタン文学の名作」の一つに数えられる作品であるということを知っておけば、ピューリタン革命が17世紀なので仲間外れだということが分かる、という話。で、課外が終わったあと一人の生徒が私のところに来て、「教科書に誤植をみつけました」と言う。みると、山川の『詳説世界史』の索引で、ピューリタン革命とピューリタン文学のページ数が逆になっている。へぇと思って準備室で調べたら、今の3年生が使っている2005年版では確かに逆になっており、あきらかに間違い。2004年版ではなんとピューリタン革命もピューリタン文学も同じページ数になっている。これを訂正しようとして、さらに間違ったんでしょうね。今の2年生が使っている2006年版は正しくなっています。

 課外のあと今話題の地歴未履修問題の話になりました。ウチの生徒たちの話を総合すると、2年生で地理歴史を2科目履修することが受験にマイナスとは思わないという話でした。理由は、選択肢は多いほうがいいからというもの。1科目のみ選択した場合、もしそれが自分の予想と異なる内容だったら修正がきかないだろうということです。地理だけの選択者が、3年生で急に早慶上智の法学部を受けたいというときはどうするんでしょうね?おまけに東大京大の文系は地歴2科目必要だし。だから「まじめにやってる学校がバカを見てる」という考えは批判になっていない。自分で自分の首を絞めているだけだ。したり顔で現場を知らずに批判する大人よりも、高校生の方がずっと鋭い。
 僕が今の職場で密かに大尊敬している数学の先生曰く、「およそ学問というのは退屈な営みである。その退屈さのなかに甘美さを見いだすことが学問の楽しみだ。」と。長い目で見れば、功利主義ばかりが能ではない。
 実は今日私は代休で午後から休みをとりました。で、このニュースを報じるワイドショーその他をたっぷり見ることができました。昨日朝「今頃冷や汗を流している学校って全国にたくさんあるよね」という話を準備室でしたところですが、(いまのところ)予想外に少ない。いわゆる進学校で学習指導要領通りにやってるのは、ウチを含めて少数派と思ってましたから。私が知る限り、九州ではもっと多いはず。「対岸の火事」と見物を決め込むのも考え物ですが、同僚の先生さえ「ウチは大丈夫?」と尋ねてくるので説明しておくと、熊本高校は2年次で地歴2科目、理科を2科目全員が受けます。地歴は世界史が全員必修で、地理か日本史の選択。だから熊本高校では、理系文系のコースに分かれるのは3年次からになっています(規則通りにやろうとすると、2年生から理系文系に分けるのは難しいのでは?)。
 「受験に有利にするために生徒のためを思ってやった」というのは、正しくありません。3年生は理系で地歴公民から1科目、文系で2科目を選ぶというシステムですが、ウチの学校の現3年生では理系の生徒のうち自ら世界史を選択した生徒が40名を越えていますし、文系では地歴2科目を選択した生徒も40名以上います(もちろん全員が東大京大を受けるわけではありません)。こうした生徒の関心は、大切にするのがあるべき姿でしょう。受験に有利だからと言って、文学部を地理だけで受験する生徒に、大学側は問題を感じていないのでしょうか?

 今の学習指導要領に、まったく問題がないわけではありません。世界史はいやでも受けなければなりませんが、英数国と違って受験に必ずしも必要ではありません。ですからトータルで考えると、興味を失って世界史を勉強しない生徒も大勢います。おまけにウチの学校の場合、教科書の内容はすべて授業時間内に終わらせることになっていますから(課外で教科書の内容をやってはいけないし、そもそも1・2年生に朝夕の課外はない)、進度がとてつもなく速い。あまり興味がない生徒諸君には厳しいのが現実です。そこで私の希望は、世界史の必修をはずしていただくこと。日本史・世界史・地理のうちから2つ選べばいいということにしてほしい。そうすれば、自分の興味や関心にもとづく選択の幅がいっそう広がることになるのではないでしょうか。
 というわけで学校現場や受験制度と、学習指導要領が乖離しているという指摘は事実。ですが、教育評論家という人がさも何でも知っているような顔で「学校が予備校化している」などとコメントするのをみると、失笑してしまう。教育評論家なる肩書きで呼ばれるなら、「予備校化」のデメリットとその深刻性を指摘して、その改善プランを提示するのがやるべき仕事でしょうよ。アホか。僕は高校の予備校化がそんなに悪いことだとは思えないのですが?全国の高校がすべてそうなら問題でしょうが、それは一部の高校の話。「予備校化」でいいことばかり、とはいわないが、現役で合格できるなら親としてそれにこしたことはない。保護者の希望に添うのは学校の役目の一つ。雑誌『プレジデント・ファミリー』が、あれだけ売れている事実を、教育評論家の先生方はどう考えているのでしょう?

 今回の話は世界史だけに限りませんが、現2年生に「受験に必要ない科目を勉強して損してると思うか」と尋ねたところ、損したとは思わないということでした。まぁ、今回の問題は学ぶ意義を伝えきれなかった、見いだせなかった我々教師全体の責任と言えるのかもしれません。いっそ世界史を入試からはずしてもらえると有り難いのですがね。映画見せたり、自分の好きな話ばかりできるから。予備校の講師には悪いけど。

 でもなぜ今これから受験本番という時期にこれほど大問題になったのでしょうか?これから補講って、担当者の時間外手当はでるのか、などといらぬ心配をしているのですが。


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