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『ひと目でわかる茂木誠の世界史ノート』と『カリスマ講師の日本一成績が上がる魔法の世界史ノート』 [大学受験]

 世界史の教師として、自分の授業を受ける生徒にはどんなノートをつくって欲しいか。教師それぞれに理想のノートがあるだろうし、生徒自身にもあうorあわないがあるようだ。学年が上がって担当者が代わり、板書の形式が変わると、最初は慣れない生徒が出てくるものだ。また自分で工夫して作っている生徒も少なくない。「勉強ノート公開アプリ」の「Clear」で試しに「詳説世界史」を検索すると、高校生によるいいノートがたくさん出てきて、見ててとても楽しい。「神ノート職人」として有名な「みいこ」さんの世界史ノートも公開されている。
https://www.clearnotebooks.com/ja/notebooks/grade/senior-high?utf8=%E2%9C%93&q=%E8%A9%B3%E8%AA%AC%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%8F%B2

 初任から3年間は板書でやっていたが、エピソードやプラスαを紹介したいのと、地図を黒板に書くのがたいへんなので現在も穴埋め式のプリントを使っている。例えば「"敵の味方"は敵?それとも味方?」という話で、日露戦争中の1904年、ロシアの同盟国のフランスと日本の同盟国のイギリスが英仏協商を結んだ背景と、日露戦争前後の国際関係の変化を関係づけて説明する場合、板書だけで生徒へ問いかけるとなると、かなり難しい。生徒の書く時間を考慮すると、プリントの方が「無難」だと感じている。もちろん、授業者それぞれだろうけど。
 
 私を含め、授業で穴埋め式プリントを使っている世界史の教師は多いと思う。ネット上には多くの先生方が自分のノート(穴埋めプリント形式を含む)を公開しており、中にはPDFでDL&印刷可能というテキストまで公開されているサイトもある。しかし、どれがいいかとなるとなかなか難しい。自分のノートを公開している先生方はいずれも自信があるから公開しているのだから、それぞれに素晴らしいものばかりである。このことは、世界史の場合だと一定の経験と向学心がある先生がつくったノートであれば、顕著な差は見られないということも意味している。九州高等学校歴史教育研究協議会(九歴協)では、『世界史要点ノート』という、授業で使ってもらうことを想定した教材をつくっているが、それなりに需要がある。このことは、世界史の場合「少々のことに目をつぶれば、他の教師が作ったノートでも、まぁOK」ということを示している。九歴協では私も『世界史A要点ノート』と『センター世界史』の作成に関わった。それぞれ4人程度で分担して作成したが、編集会議で各自が持ち寄った原稿を検討してみると、作成者による差異はあまり感じられなかった。ただ校種による工夫が必要なのは当然で、専門高校に通った次男と私立中高一貫に通った三男の中学生用世界史のノートを見せてもらったが、それぞれに参考になった。
 一番の問題は、「どこまで触れるか」という内容面でのレベル的な問題だろう。「基本センター試験まで、プラス関関同立」というレベルであれば特に問題ないが、これを超えるレベルを目指す生徒がクラスの半分以上いる場合は厄介である。以前勤務した学校では、世界史を受験に使わない生徒から東大を目指す生徒まで同じクラスに混在していたこともあり、結構苦労したものだ。九歴協の『世界史要点ノート』では、一応の対応策として「応用編」(253㌻)と「標準編」(191㌻)という2種を作成している。


 私が実際に購入した世界史ノートは下の2冊。
 ・『ひと目でわかる茂木誠の世界史ノート』(KADOKAWA)
 ・『カリスマ講師の日本一成績が上がる魔法の世界史ノート』(中経出版)

DSCF3179.JPG

 まず茂木誠先生(駿台予備校)のノートから。穴埋め形式で、基本的には事項と流れを確認する復習用に使うのがいいだろう。片側1ページが時系列の「年表プリント」で重要事項の確認、プラス地図や補足解説からなる「資料プリント」という構成。全122テーマからなり、センター試験レベルとしては十分。それぞれのテーマもうまくまとめてあり、山川出版社の『詳説世界史ノート』など教科書準拠の網羅的なノートに比べれば、うまく取捨選択&再構成されている。受験生だけでなく、世界史で教員採用を受けようという方が使うにも適しているように感じるが、現在手持ちの穴埋め式ノートがあるならばあえて買い直す必要はない。
 私が持っているのは2016年発行の旧判で、2017年には改訂版が発行されている。どうやら旧版では第20章と21章との間にあるべき「世界恐慌~第二次世界大戦」がまるまる抜け落ちていたようだ。茂木先生のサイト「もぎせか資料館」では、その差分がDL出来るようになっている。同サイトでDLできるプリントは、図版などが増えており改訂版だと思われる。DL版は空欄の解答がまとまったページに掲載されているが、復習用として使うなら、旧版のようにページ下にあるほうが勉強しやすいように思う。
 旧版では「第7章:近現代のアジア・アフリカ」というタイトルにもかかわらず、第7章にはアフリカが一切見あたらず、「第8章:第二次世界大戦後の世界」の中の「現代の中東・アフリカ・中南米」に「近代以前のアフリカ」「アフリカの独立」というテーマが含まれるなど構成にも難が見られたが、「もぎせか資料館」のDL版を見る限り、改訂版では解消されているようだ。

 もう一冊『カリスマ講師の世界史ノート』は、佐藤幸夫先生(代々木ゼミナール)によるもの。「佐藤先生の板書を受講生が実際に書き写したノート」が元ネタ。出版に際してノート部分は手書きで書き直したそうだが、凄い板書である。この地図も実際に手書き板書しているのだろうか....たぶんそうだろう。脱帽。
 メインは板書再現ノートの写真で、プラス下段四分の一ほどが解説。したがって、ノートというよりも参考書という側面が強い。板書なので、プリントみたいに全部を書き出すことは不可能だから、解説がないとノート部分だけで流れを理解するのは難しいと感じる。「入試のエキス」や「ノートのスパイス」といったコラムも充実しており、全80テーマ。短期決戦で流れを頭にたたき込みたい人にはオススメ...と言いたいところだが、ノート部分は手書き文字のうえ色がたくさん使われていて、かなり見づらい(私の老眼のせいかもしれないが)。 受験生向けと言うよりも、板書の方法と流れのまとめ方を勉強したい世界史教師向けという気がする。

 ちなみに私が見た世界史の板書で一番スゴイと思ったのは、元代ゼミの世界史担当だった岩田秀全先生。かつて見た「一橋大必勝特別セミナー」での板書は、もはや芸術だった。現在は大学で教鞭を執っておられるようだ。


改訂版 ひと目でわかる 茂木誠の世界史ノート

改訂版 ひと目でわかる 茂木誠の世界史ノート

  • 作者: 茂木誠
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/08/19
  • メディア: 単行本



カリスマ講師の 日本一成績が上がる魔法の世界史ノート

カリスマ講師の 日本一成績が上がる魔法の世界史ノート

  • 作者: 佐藤 幸夫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
  • 発売日: 2013/06/14
  • メディア: 単行本



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