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嫌われても世界史はやめない [たんなる日記]

 「世界史って嫌われてるなぁ」と感じるのは、「2年生で全員世界史を学んだのに、3年生で継続履修を選択した生徒があまりに少ない(今の勤務校では3年生360人中で世界史選択者は90名くらい)」、また「定期テストのクラス平均が100点満点で30点を切った」という時です。世界史が嫌いでないなら、少々きつくても勉強しようと思うでしょうから。

 今年の3月まで勤務した学校では、2月に生徒による授業評価が行われましたが、私の授業を受けている生徒諸君(当時2年生)の、私に対する評価はかなり高いものでした(それはとても嬉しかったです)。質問11項目のうち、「次の授業が待ち遠しい」「先生の説明は、ポイントが明確で分かりやすい」「先生の授業は知的好奇心をくすぐる」の3項目は「よく当てはまる」(100)~「全くあてはまらない」(20)の4段階評価ですべて平均を10ポイント以上、上回っていました。逆に平均より10ポイント以上低かったのは「課題にしっかり取り組んでいる」「授業前の予習を欠かさない」「復習にしっかり取り組んでいる」「授業に集中できている」といった項目です。

 このことから世界史の選択者が少ないor世界史を勉強しない生徒が多いのは、私のパーソナリティや授業が嫌われているのではなく、教科として嫌われているからだと判断せざるをえません。今年高校を卒業したサッカー部のある生徒は、「世界史は話だけ聞くと面白いけど、勉強しようとは思わない」と言っていました。

 ところで、「嫌われても世界史はやめない」と表紙に書かれたある本のまえがきには、「受験科目にあろうとなかろうと、高校生に必要な知識やリテラシーであれば、きちんと指導し評価するのが教員や学校の務めではないか。」とありました。まったくその通りです。しかし「現在の高校世界史の内容と世界史教育の「方法」が、高校生に必要な知識やリテラシーとなっているのか」を考えたとき、その正論も私には空虚に聞こえるばかりです。

 そもそも当該の本で扱われている内容のほとんどは、「余談だが.....」という前置きで多くの世界史教師が授業で話していることにすぎません。つまり「脱線話」として授業で扱われていることを「メインテーマ」にしてみてはどうかという話にすぎないと私は解釈しています。高校における世界史の授業が崩壊せずになんとかやっていけてるのは、入試科目として残っていることと、現場の教師の地道な努力によるところが大きいのではないでしょうか。

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gosealhunt

こんにちは
アメブロの「アメブロ以外のお気に入り」に入れさせていただき拝読しております。
私も世界史好きです。カノッサの屈辱とか、おもしろいですね。
高校生のときは、絵本みたいに絵を描いて、なんと歴史の先生に誉められました。
歴史の先生にはなれませんでしたが、世界史は大好きです。
最近は騎士の本などにはまり、こちらも、ヒストリーフィギュアを紹介されていたのがきっかけで、読むようになりました。
子供たちが興味を持つ世界史の授業をこれからもよろしくお願いします!!
by gosealhunt (2009-05-28 12:22) 

小川幸司

 私もまったく同感です。「嫌われても世界史はやめない」という本の内容に、私はがっかりしました。刺身のトレーパックの「つま」にもなりません。これで自分の授業改革ができるなどと思う高校教師がどれくらいいるか・・・でしょう。
 私は「嫌われても世界史はやめない」などとは絶対に言いたくありません。無意味な学びのなかから何とか本質的な学びを少しでもすくいあげて届けたいので、「嫌われないように世界史をやる」に尽きます。生徒に自分の世界史が嫌われたら、立ち直れないでしょう。皆さんも同じでしょうけど。
 「知的好奇心をくすぐる」授業と言うのは、私にとっても目標です。
 お互い、頑張りましょう。
by 小川幸司 (2009-05-28 20:48) 

ogapy

ごぶさたしております。先生と同じように2年生の秋に文系では日本史か世界史の選択をしていまして、そのころになるとなんとなく落ち着かない日々を過ごします。だいたい日本史:世界史=6:4か7:3くらいが相場となっております。今年などは8:2で圧倒的に選択者が少なかったです。世界というものにあまりなじみ無い最近の生徒にいかに「世界史」のおもしろさ、そしてそれを受験科目として勉強してみよう!とおもわせるのか、10年近く世界史を教えながら葛藤する日々です。その中でZEP先生の実践やお考えは大いに学ばせていただいております。数少ない世界史選択者の中で卒業後、大学在学中に大英博物館へ行って感動してくれた生徒がいて、こんな生徒が少しでも増えてくれたら…とアイデア探しをしています。
by ogapy (2009-05-28 23:02) 

zep

>gosealhunt さん
ブログで紹介されているのは12インチのようですが、カスタマイズには相当手間がかかったと思います。脱帽です。青池保子さんのマンガを思い出しました。『修道士ファルコ』や『サラディンの日』、『アルカサル』、面白かったです。

>小川先生
あの本は『社会科教育』に連載されたものを本にしたそうですが、『社会科教育』を読んでいる高校の世界史の教師は極めて少数だと思います。最初読んだとき、中学校の先生向けに書かれたものかと思いましたが、どうも違うようですね。
世界史の教科書や資料集に日本に関することが数多く載せられている現在、「日本史と世界史のインターフェイス」などと言われても、と思ったのは2年前に「世界史と日本史のインターフェイス」というほとんど同じタイトルの文章を読んだときですが、私が思うに「世界史が面白い」と感じるのは日本の歴史と比べて違っていることを知ったときです。我々が日本で暮らしてきた以上、意識しようとしまいと日本史的視点はかならず持っているはずです。
「嫌われないように世界史をやる」、まったく同感です。そしてもう少しポジティヴに、「歴史好きを増やすために世界史をやる」という気持ちで頑張りたいと思います。

> ogapy先生
お久しぶりです。おっしゃるとおり「日本史:世界史=6:4か7:3くらい」ってとこでしょうね。中学校の知識が生かせるのも日本史選択者が多い理由の一つかもしれません。現在勤務している学校では、日本史希望者をかなり世界史に回したとか。でもそれはそれで彼ら彼女らに「結果的によかったと思わせたい」と思い張り切っているのですが(笑)。
by zep (2009-05-28 23:50) 

koushirou

zep先生、お久しぶりです、18年度卒?のkoushirouです。
今年度から転勤されてしまったのですね;; 初めて知りましたorz

zep先生の授業は、1年次の倫理しか受けたことが無い(2年次の世界史はM先生でした)のですが、世界史や日本史を学ぶ意義については、知的欲求を満たすためだと、今は思うようになりました。 入試科目にあるから、という理由だけで(日本史を)勉強していたのはあまりにもナンセンスだった、と後悔しています。 先生の知的好奇心を擽る世界史授業、受けてみたかったです。
史実を学ぶ上での知的欲求に関連しては、数学、音楽、絵、自転車、漢字、思想、など様々な趣味を含むジャンルに手を伸ばしてみて、初めて気付いた次第です。

僕が歴史か数学か、と問われたときに基準になるのは、『歴史の曖昧性』と『数学の堅実さ』、だと思います。 絶対的事象が存在しないと考えている以上、歴史はあまりにも不確かなものですし、数学は確固たる事実を述べています。(そもそも数学は概念なので恒久的事実なのは当然であり、事象と比較するのはおかしいことですが;;)
しかし、知的欲求を満たす観点では、歴史ほど夢とロマン溢れる題材は無いと思いますし、その絶好の機会を『受験のため』と棒に振った僕は愚かでした。

また、日本史と世界史の違いの根底にはやはり、民族間の思想や信条の違いがあるのではないかと思います。
例えば南京大虐殺ですが、ある人は『何千万人も虐殺された』と言いますし、またある人は『南京大虐殺なんて無かった』とも言います。
その真偽を確かめる手段が無い以上、○○人からはこうであってほしい、××人からはこうであって欲しい、といった一種の願望が含まれて、曖昧性を強化しているように思えます。
日本史は、日本人の内輪での話が多いことから、世界史ほど曖昧ではない、・・・ように見える、ということです。

どんなトリヴィアルな知識であっても、それを得る喜びを見出す余裕が無かった高校時代ですが、今後は多種多様な世界に視野を広げて行きたいものです。

長文駄文失礼しましたm(_ _)m
by koushirou (2009-07-08 12:30) 

zep

koushirouくん、お久しぶりです。
もう3年生ですか?早いものです。

高校は昨日と今日、進研模試でした。
第3棟での授業を懐かしく思い出しました(昨年の理系は社会科教室での授業だったので)

理系ながら日本史で受験したという時点で、koushirouくんは「入試に有利か不利かが基準となる功利主義」から離れた存在だと思ってます(確か日本史係でしたよね)。

日本史も世界史の一部なので、歴史に関心があれば自ずから世界史に目を向けるようになると思います。その意味で、koushirouくんのように大学受験から離れた時点で、それも理系学部で学びながら歴史に関心を持つようになったのは、理想的だと思います(それが熊高生のすごいところだと私は思いますが)。

過去の真実はもちろん分かりませんが、「客観的に最も確からしいこと」を史料から実証的に導き出すので、歴史も一応「社会科学」なんですねぇ、これが。でも、マンガ『センゴク』みたいに、「通説に対する疑問」を考えることも歴史の楽しみの一つだと感じます。「知ること学ぶことは楽しい」と思える人生は、いい人生だと思います。

by zep (2009-07-12 21:36) 

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