『ガンジー』(1982年、イギリス・インド合作、リチャード・アッテンボロー監督) [歴史映画]
子供の頃、『ゴールデン洋画劇場』などで何回も見たスティーヴ・マックィーンの『大脱走』。その『大脱走』でビッグXを演じていたのが、この作品の監督であるリチャード・アッテンボロー。3時間以上ある長い作品で、途中で休憩時間がはいりますが、アカデミー賞では作品賞をはじめ、監督賞・主演男優賞・脚本賞・撮影賞・美術監督・装置賞・衣装デザイン賞・編集賞と9部門を受賞した名作。後半でガンジーを取材する女性カメラマン、マーガレット・バーク=ホワイトを演じるのは『ソルジャー・ブルー』のキャンディス・バーゲン。
第一次世界大戦後のローラット法とアムリットサル事件、塩の行進、ジンナーとネルーそしてガンジー三者の関係(インドとパキスタンの分離)、そしてイギリスの産業革命がインドに与えた影響、さらにシク教とゴールデン・テンプルなど教科書的な知識で十分なので、予備知識を持って見てほしい映画です。
映画でもっとも驚いたのは、主演のベン・キングズレー(元シェークスピア劇の舞台俳優)が「ガンジーの復活」といえるような迫真の演技。彼はこの作品でアカデミー賞の主演男優賞を受賞していますが、まったくふさわしい演技です。DVDに収録されているインタビューで、「当時の映像を見て役作りをした」と語っていますが、同じくDVDに収録されている当時のニュース映像を見ても本当によく似ています。私の中ではデンゼル・ワシントンのマルコムXと並ぶ「なりきり演技」のベストです。映画の中で、法廷にガンジーがはいってくると、裁判長以下傍聴者まで全員が起立してガンジーを迎えるシーンがありますが、本物のガンジーが入廷したかのようでした。
映画でも示されていますが、ガンジーの行動が大きな影響を及ぼしたのは、映像メディアの発達が大きく寄与しています。2003年の東大入試問題・第1問
「 私たちは、情報革命の時代に生きており、世界の一体化は、ますます急速に進行している。人や物がひんぱんに往きかうだけでなく、情報はほとんど瞬時に全世界へ伝えられる。この背後には、運輸・通信技術の飛躍的な進歩があると言えよう。 歴史を振り返ると、運輸・通信手段の新展開が、大きな役割を果たした例は少なくない。特に、19世紀半ばから20世紀初頭にかけて、有線・無線の電信、電話、写真機、映画などの実用化がもたらされ、視聴覚メディアの革命も起こった。またこれらの技術革新は、欧米諸国がアジア・アフリカに侵略の手を伸ばしていく背景としても注目される。例えばロイター通信社は、世界の情報をイギリスに集め、大英帝国の海外発展を支えることになった。一方で、世界中で共有される情報や、交通手段の発展によって加速された人の移動は、各地の民族意識を刺激する要因ともなった。 運輸・通信手段の発展が、アジア・アフリカの植民地化をうながし、各地の民族意識を高めたことについて、下記の9つの語句を必ず1回は用いながら、解答欄(イ)を用いて17行以内で論述しなさい。 スエズ運河 汽船 バグダード鉄道 モールス信号 マルコーニ 義和団 日露戦争 イラン立憲革命 ガンディー」
で、指定語句に「ガンディー」がはいっている理由は、この映画を見るとよくわかります。
一般に「非暴力・不服従運動」といわれるサッティヤーグラハが山川の『詳説世界史』で「非協力運動」ど表記されていることに違和感を感じていたのですが、この映画を見て、受け身のイメージを与える「非暴力・不服従運動」より、抵抗のニュアンスが強い「非協力運動」の方がよいようにも思えました。
第一次世界大戦後のローラット法とアムリットサル事件、塩の行進、ジンナーとネルーそしてガンジー三者の関係(インドとパキスタンの分離)、そしてイギリスの産業革命がインドに与えた影響、さらにシク教とゴールデン・テンプルなど教科書的な知識で十分なので、予備知識を持って見てほしい映画です。
映画でもっとも驚いたのは、主演のベン・キングズレー(元シェークスピア劇の舞台俳優)が「ガンジーの復活」といえるような迫真の演技。彼はこの作品でアカデミー賞の主演男優賞を受賞していますが、まったくふさわしい演技です。DVDに収録されているインタビューで、「当時の映像を見て役作りをした」と語っていますが、同じくDVDに収録されている当時のニュース映像を見ても本当によく似ています。私の中ではデンゼル・ワシントンのマルコムXと並ぶ「なりきり演技」のベストです。映画の中で、法廷にガンジーがはいってくると、裁判長以下傍聴者まで全員が起立してガンジーを迎えるシーンがありますが、本物のガンジーが入廷したかのようでした。
映画でも示されていますが、ガンジーの行動が大きな影響を及ぼしたのは、映像メディアの発達が大きく寄与しています。2003年の東大入試問題・第1問
「 私たちは、情報革命の時代に生きており、世界の一体化は、ますます急速に進行している。人や物がひんぱんに往きかうだけでなく、情報はほとんど瞬時に全世界へ伝えられる。この背後には、運輸・通信技術の飛躍的な進歩があると言えよう。 歴史を振り返ると、運輸・通信手段の新展開が、大きな役割を果たした例は少なくない。特に、19世紀半ばから20世紀初頭にかけて、有線・無線の電信、電話、写真機、映画などの実用化がもたらされ、視聴覚メディアの革命も起こった。またこれらの技術革新は、欧米諸国がアジア・アフリカに侵略の手を伸ばしていく背景としても注目される。例えばロイター通信社は、世界の情報をイギリスに集め、大英帝国の海外発展を支えることになった。一方で、世界中で共有される情報や、交通手段の発展によって加速された人の移動は、各地の民族意識を刺激する要因ともなった。 運輸・通信手段の発展が、アジア・アフリカの植民地化をうながし、各地の民族意識を高めたことについて、下記の9つの語句を必ず1回は用いながら、解答欄(イ)を用いて17行以内で論述しなさい。 スエズ運河 汽船 バグダード鉄道 モールス信号 マルコーニ 義和団 日露戦争 イラン立憲革命 ガンディー」
で、指定語句に「ガンディー」がはいっている理由は、この映画を見るとよくわかります。
一般に「非暴力・不服従運動」といわれるサッティヤーグラハが山川の『詳説世界史』で「非協力運動」ど表記されていることに違和感を感じていたのですが、この映画を見て、受け身のイメージを与える「非暴力・不服従運動」より、抵抗のニュアンスが強い「非協力運動」の方がよいようにも思えました。




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はじめまして、ハンドルネームharaと申します。私は今、社会人ですが大学受験の時に世界史を勉強していて気になっていたのですが、オーストリアが1908年,ボスニア・ヘルツェゴビナを併合しましたが、
このボスニア・ヘルツェゴビナはボスニアとヘルツェゴビナを意味しているのですが、中黒ではなくオーストリアが1908年,ボスニア、ヘルツェゴビナを併合しましたと書いても問題ないでいいですよね?オーストリアが1908年,ボスニア=ヘルツェゴビナを併合しましたと書いたら間違いなのはわかります。
大変申し訳ないのですができればご教示下さい。
by hara (2010-01-13 14:28)
英語でもBosnia and Herzegovina ですから、「ボスニア、ヘルツェゴビナ」でも問題ないと思います。しかし慣用的に定着した表現は、特に理由がない限り定着した表記を使う方が読む人には「見慣れない表記にしているのには、なにか理由があるのか?」という疑問を抱かせない分、親切だと思います。
by zep (2010-01-13 18:23)