『ヘンリー5世』(ケネス・ブラナー監督、1989年、イギリス) [歴史映画]
大作『ハムレット』(1999年)で脚光を浴び、『魔笛』が公開中のケネス・ブラナーの初監督作品。主演のヘンリー5世も、シェークスピア舞台俳優出身のケネス自身が演じています。1945年にローレンス・オリヴィエが映画化した、シェークスピアの舞台劇のリメイク作品です。
役者全員、まるで舞台の上にいるかのような台詞回しと表情が素晴らしい。特にケネス・ブラナーの静(アジンコート前夜の独白)と動(合戦前の演説)の使い分け、表情、間の取り方、すべてにおいて一見の価値ある演技です。やや過剰という感じもしますが、「舞台上」という設定ゆえ、私はかまわないと思いますけど。彼以外にも、顔の表情だけでその場の緊張感や雰囲気が伝わってくる、芸達者な俳優ばかりが起用されています。中でも味のある表情と演技を見せる女将さんは、『あるスキャンダルの覚え書き』で、ケイト・ブランシェット(『エリザベス』)との競演が話題となった、オスカー女優のジュディ・デンチ。彼女もシェークスピア舞台劇出身です。
最大の見せ場は、アジンコート(アザンクール)の戦い。雨と泥土の中、オーケストラをバックにスローモーションで流れる戦闘シーンは、戦争後の行進のシーンに至るまで、血なまぐさい場面ながら英国的美意識を感じさせます。









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